9/28(土)に開催しました「U-30開催記念シンポジウム II 」。多くの方にご来場いただきまして誠にありがとうございました。当日の様子を一部抜粋してご紹介させていただきます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

(ディスカッションから一部抜粋)

藤本
:植さんは吉村さんの元所員ですよね。二人の間のやり取りを聞きたいですね。

吉村:僕は藤本さんが言ったのと同じ感想で、宣言しないっていうのはすごいスマートな選択なんですよ、この会議にいるときに。でそれをやるようなタイプじゃなかったので驚いてます。

:私は二人でやっています。パートナーの影響もあるんですけど、自分に建物建ててくださいと来られた方とお話をして設計をしていく上で、そっちの方が興味があるような気がしています。

藤本:うまいけど、へたくそで、そこが気になった。アイデアもスマートで、民家の屋根をガラスにするとか、コンクリートブロック塀で壁にするとか。スマートだけど、詰めが驚くほどへたくそ。現場でも行ったけど、あの路地みたいな空間を作るアイデアはすばらしいです。でも路地のデザインがなされていない。かすかにコンクリートのパターンでスマートに扱ってんだけど、うまいよね。っていうぐらい。もっと突っ込んでいいとおもうし、突っ込めるはずなんだよなぁ。

:展示を見せながら説明をしていくとき、路地はつくったほうがよかったなって説明しながら思った所ではあります。例えばコンクリートブロックは普通、よく見るのは塀で使うとか、穴空きコンクリートブロックのパターンを使うのも面白いかなと思うんですけど。

藤本:個人的に皆さんに聞いてみたいのは、例えば、僕が30前後のときって、妹島さんがいて、その間に塚本さんとかの世代がいる。僕らから見ると、塚本さんぐらいの世代に対しては、若干の反発があったんですよ。妹島さんとかの建築がいいなーと思っていて。たまたま、僕の個人的な好みにもちょっと合わなかったというのもあって、反発もあったりして、俺の建築はちょっと違うぜみたいな。みなさんは素直な様に見えるんだけど、僕らの世代って中途半端的な立ち位置じゃないですか、皆さんから見たら。どう思ってらっしゃるんですか。影響が全くない、って言われるのもまた寂しいんだろうなとか思うんだけど、正直そのへんどうなんだろうって。

:私は正直な所、藤本さんのSDの積層のやつに、かなり衝撃を受けました。今では、ちょっとやり過ぎじゃないかなとも感じます。その反動もあって、私はこういうスタンスになのかもしれません。飽きのこない方がいいなと思ったんですよ。地味に、噛めば噛むほど見たいな感じです。

藤本:僕が、これ面白いだろうと大振りなジェスチャーでやってるのが、逆に空回りしてんじゃないのみたいな。本当にいいものは、かすかな、コンクリートブロックの中にこだわりがあるからこそ宿るんだっていう、すごく極端な言い方をするとまあ、そんな感じなんですかね?

:そうですね。それも一つです。

吉村:いつぐらいから、考えが変わっていったって感じなんですか?

:吉村さんの所で修行したりとか、自分でお施主さんとやり取りをしていく中で、学生のときとは違う感覚になりました。前のシンポジウムのとき、パンチがないみたいにいわれましたが、それを期待するなら、U-20とかの方がいいんじゃないかなって私は思いました。

藤本:別の言い方をすると、パンチがないってコメントしてるその価値観自体がダサいよって言いたいわけでしょ。

岩瀬:前回からいろいろ考えました。インパクトっていう言葉で議論が表面的になり凄くいやでした。私たちはインパクトを違うものとして捉えています。形がどうだからインパクト、とかそういうレベルじゃないと思うんです。でも議論がその話をしないままインパクトは大事だ、インパクトは大事じゃないか、インパクトが好きかといった話をしていました。私はインパクトが嫌いということは全くなく、作ったものに対してどれだけ、周りとか使う人にとって影響と良い意味での豊かな影響があるかっていうことに、興味があるなと思ってます。形が普通だって言われても、私はそれが良いと思ったからそうしたとしか言えないなと感じました。

平沼:藤本さんが言われた、妹島さんの世代にインパクトがあって、塚本さん達が少し皆さんと同じような手法で見せているようにも感じていて、というのは日本だけの状況ですか?

藤本:海外はそこまで詳しくは分かんないですけど、どうなんでしょうか。でもあれですよね。塚本さん達の世代とみなさんの世代が、また、違いますよね。でも大きな意味では共通するのかな。

五十嵐:だから、塚本さん達の世代があって、その下に藤本さんや石上さんが出て、でもう一回ひっくり返ってるようにも今日見えたかな。さっき藤本さんが聞いたことは僕も聞きたいですね。

9/7(土)に開催しました「U-30開催記念シンポジウム I 」には、多くの方にご来場いただきまして誠にありがとうございました。シンポジウムの様子を少しだけご紹介させていただきます。

 
 
 
 
 

(ディスカッションから一部抜粋)

塚越
:平田さんに建築の空間構成形式に関してお聞きしたい事があります。僕も色んな条件を一つの空間構成形式で解きほぐしていって新たな秩序を与えていくことが、気持ちいい空間というか建築のあり方としてあるべきなんじゃないかなと思っているんですけども、どちらかというと、手段として建築の空間構成形式を捉えています。平田さんの建築を見ていると、構成形式がまずあって、そのなかでどういったことが実現できているのだろうかといった、観察の中でそれが発達していくような印象を受けたのですが、平田さんは、建築の構成形式をどのようにお考えなのか伺いたいです。

平田:もちろんその形式自体も大事なんだけど、僕はどっちかっていうと、今は、一個の考え方だけでできているもの自体が、それはちょっとどうなんだろうって思っていて、それがどういうふうに共存できるかっていう、形式の共存の形式っていうのを考えられないかなって考えてます。一個何かが崩れるとこの建築は成り立たなくなるみたいな、そういう感じじゃなくて、もっと大様な感じになれないかっていうのを思っています。手段だろうが目的だろうが最終的にできてしまったものは、それとして動き始める訳なので、それが良ければいいんじゃないですか? それを、良いと判断すればいいはず。最終的にはどっちでもいいような気はしてます。

塚越:大らかさみたいなものを実現するために、何か構成形式を共存させる構造形式みたいなものが必要なんじゃないかと考えています。

平田:office Fはいいかなと、なんとなく思いました。ちょっと気になるのは君の作品は色々バックボーンを説明しつつも、 既視感がある。色々全部変化しているのに対して割と大らかにボンと、突き抜けたような形を組み合わせるだけでできていて、中の空間がスッキリしてる気がした。上から見て操作の話だけずっとしてる。可能性を感じたので言ったんですけど、結局そういう、交差する断面の形式があって、それが変化のある内部空間を生むんだという、建築の論理になっていて、それ自体はいわゆる、構成形式の話を抜けていないんですよね。ある一定以下の規模だとそれはしょうがないのかも知れないけど、でも、もうちょっと違うやり方がないかなと、僕は思っています。

9月7日に開催しました「記念シンポジウム I」には、多くの方にご来場いただきましてありがとうございました。
当日の様子を少しご紹介させていただきます。

 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 



U-30 2013出展若手建築家

岩瀬諒子 Ryoko Iwase

1984年新潟県生まれ。京都大学工学部卒業。 EM2N Architects(スイス、チューリッヒ)勤務、同大学大学院修士課程修了ののち、 隈研吾建築都市設計事務所に勤務。2013年、大阪府主催実施コンペ「木津川遊歩空間アイディアデザインコンペ」における最優秀賞受賞を機に、岩瀬諒子設計事務所を設立。建築空間からパブリックスペースまで、領域にとらわれない設計活動を行う。その他受賞に景観開花2007における佳作賞、協賛企業特別賞、東京建築コンサルタント賞。オルドス市主催教育施設国際設計競技における最優秀賞(EM2N)。現在、慶應義塾大学理工学部Darko Radovi?研究室テクニカルアシスタント。

植美雪 Miyuki Ue

1984年広島県生まれ。2006年近畿大学工学部建築学科(小川晋一研究室)卒業。2006-2010年株式会社 吉村靖孝建築設計事務所勤務。2011年可児公一と共に、建築設計事務所 可児公一植美雪設立。主な作品に「MIYAHARA-U(2012)」があり、その他「KAIGAN-U(2013竣工予定)」、「YUKISHIMO-K(2011-)」、「SOJA-O(2012-)」など計画中。

小松一平 Ippei Komatsu

1984年奈良県生まれ。2006年大阪芸術大学芸術学部建築学科卒業。2006-2010年ycf/山下喜明建築設計事務所勤務。2010年小松建築設計事務所を設立し奈良を拠点に活動をはじめる。主な受賞に2006年SMOKER'S STYLE COMPETITION 2006 アイデア部門最優秀賞。2010年「王寺の家」(ycf在籍時担当作)が第14回奈良県景観調和デザイン賞審査委員長賞。主なプロジェクトに「あやめ池の家」(2013竣工予定 昨年度U-30に出展)「N邸」(2013-)などがある。

杉山幸一郎 Koichiro Sugiyama

1984年浜松生まれ。日本大学高宮研究室で建築を学び、2008年東京藝術大学大学院北川原研究室に入学する。在学中にETH Zurichに留学し、世界の建築を見る。大学院修了後、建築家として活動する。 在学、留学中にいくつかの旅を経験したことが、ゆっくりと確実に僕の視野を大きくしてくれました。初めてインドを旅したこと。トルコからエジプトまで乗り合いバスで縦断したこと。イベリア諸国を2ヶ月かけてまわったこと。そして、フランス中部からピレネー山脈を抜けてイベリア半島の先まで約1400kmを歩いて巡礼したこと。 上手な言い回しをしようとするよりも、自分の経験からくる言葉を大切にしたいといつも思っています。


塚越智之 Tomoyuki Tsukagoshi

1983年東京都生まれ。2006年東京工業大学工学部建築学科卒業。2006〜2007年デルフト工科大学留学の後、東京工業大学大学院理工学研究科建築学専攻 坂本一成研究室に所属。2009年同大学院修士課程終了。2009~2012年に吉村靖孝建築設計事務所に勤務しTBWA / HAKUHODO Media Arts Lab(第25回日経ニューオフィス大賞 奨励賞)等を担当。2013年2K54DSIGN 設立。主な作品に小径間伐材を利用した集合住宅の改修計画(長野市後援 artReno competition 最優秀賞)等。


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